佐々木一成のブログ

元JOYBRASS トロンボーンアドバイザー 佐々木一成のブログです

シンプルへのススメ

どうも、アドバイザーの佐々木です。

はい、また開いてしまいましたね ……。

いや~なかなかバタバタしておりまして、すみません。言い訳

暑くなってきましたね〜。先月は富山のウィンズラボさんでのイベントのお手伝いをさせて頂きました!沢山の方に出会えて、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました!

 

 今回は演奏行為をよりシンプルにしていこうという回です。

 

普段レッスンをしていて思うことがあるのですが。色々なことをやろうとして、自分で自分を吹けないようにしてしまっているような事例が多く見受けられるので、今回はどのようにして演奏行為をシンプルにしていくかということを僕なりの視点で考えましょう。

 

僕も陥ってしまったのですが、学生の時に指摘を受けたことをちゃんとやろうとしすぎてて、むしろレッスンの前のほうがスムーズに吹けてたみたいなパターンが増えてしまいました。

傾向としては色々な要素を教わって、それを演奏時に全て取り入れようとしているように見えることが多いです。例えば、色々なことを自由に吹けていたのに、勉強すればするほど吹くことが難しくなっていくようなパターンに陥る人もそれなりにいるように感じますね。

前にも書きましたが、演奏時はとにかくシンプルに出来るようにアプローチをするほうが良いと思います。その場合演奏時には頭の中の歌と楽器に対するアクション以外は出来るだけ削ぎ落としていく必要があると思うのです。

 

息を吸うときはこうした方が良い

アンブシュアはこの形で…

楽器の持ち方はこうして…

舌の位置はこの場所で…etc.

 

こういったような要素は、それぞれ練習の段階で試行錯誤しながら取り入れるのは大事なことなのですが、いざ曲を吹く段階で気をつけようとすると肝心の歌がとにかく離れていってしまうんですよね。

「いや、歌はちゃんとあります」という方もいるのですが、ほとんどの場合に感じるのはその割合が小さくなって薄くなってるのです。自分の中の音は常に理想を緻密に再現できるようになると良いですね。音程や音量、表情だけでなく響きかた、艶、スピード、などなど色々な質感をとにかくリアルなやつを出来るだけ浮かべてください。

音のイメージと良く言いますが、そのイメージの持ち方は人によって様々だと思うのです。その中でも僕は上に書いたような、より強いイメージを持ったほうが良いと思っています。だからなんというか操作して音を出すというよりもその音に体が反応する、イメージに体がついていくみたいな感じに近いと思っています。

なのでまあ、あれですよ。知識も必要かもしれないけれど、

 

感覚の再現性をもっと大事にしてみてください。

 

ということです。

本日はここまで、それではまた。

 

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質問に答えます vol.8

どうも、アドバイザーの佐々木です。

お久しぶりです。

 

早速、今回はいただいている質問に答えていきます。

 

A  パートのウォームアップパターンをやるとバテてしまい、合奏で上手く吹けません。

Q  そうですね…。実際にどういうパターンなのかとか奏法に原因があるからなのか何とも言えないところもありますが、基本的に技術的な苦手なものを全体の流れで半強制的に行うことで無理が生じて疲れてしまうというのはありますね。その場合、自分にとってはウォームアップという名前がついたキツい練習になっているというところでしょうか。コツというか考え方としてはとにかく無理くり吹かないというのと頭の中ではそれがめちゃくちゃ吹けるようになりたいと思いながら自分のペースで吹いてみるというのをしてみてください。この自分の頭ではそれをちゃんと吹こうと歌うというのと同時に無理に吹かないというのがポイントです。また何かあれば質問ください。

 

Q  初見がとても苦手です。何かコツはありますでしょうか?

A  初見ですか……。僕も全然です(泣)

いや、これでも色々とやってきたんです。なので少しづつは出来るようにはなっている…はずです。それで佐々木的初見上達ポイントみたいなやつを挙げますね。

1、とにかく譜面を見て歌うのを癖つける

いや、もうトロンボーン的にはそれが一番良いと思うんです。最初から上手く歌えなくても良いのでいつも意識的に譜面を見て歌うことをやりましょう。

2、自分の状態を気にしない

初見以外の時もそうなのですが、

「音色があれだな」とか

「いつもの感触じゃないな」とか

「今のところいつもなら平気な感じのフレーズなのになんで外したんだろう」とか

自分のことばかりに気をとられてると大概上手くいかなくなってしまいます。

3、小さくならない

環境もあるのでしょうが、自信がないとおとなしく演奏してしまう人はある程度開き直るくらいの感じが良いです。

どうでしょう、とりあえず僕はこの辺の要素が大きく影響する感じです。

 

Q  低音でのタンギングが苦手です。音色がロングトーンの時と変わってしまいます。

A  これはこの前レッスンでもありました、状態に個人差はあるとは思いますが、この前の方は上の音域とほぼ同じようにタンギングをしていたので、短い音符の時に上手く音が発音されない現象が起きてましたね。僕の体験では舌を離すまでの滞留時間が低音域のときには若干長くなるような感じでやると上手くいくような気がします。慣れると高音域と同じような感覚で出来るようになってきます。

しつこいですが(笑)これもあくまで「自分の中の音楽」を形にしようとする流れで上手くいかないときのひとつのやり方としてとらえることのほうが大事だと思います。やはり動きや演奏の型を意識してやってしまうと頭の音楽が薄まってしまう傾向があると思うので…。

Q  最近のブログは真面目な感じの記事ばかりですね。前にあったようなくだけた感じのも楽しみにしてます。

A  あんなのにも需要があったのですね、

うん、ま、書きますよ。心の余裕があればですが!

 

はい、今回はこんな感じです。

すみません、また随分とあいてしまいました。まあこれからもこんな感じでマイペースでやっていきますが、もう少し増やして良いかな…ま、期待しないでください(笑)。

 

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ブレスとフレージング

どうも、アドバイザーの佐々木です。

先日イベントで、山形は東根にある「管楽器工房 Brass」さんに行ってきまして。沢山の方々とお会いしてきました。山形の皆さんありがとうございました!

さて、twitterでバストロを吹くと息が足りなくなるがバレにくいブレスはどうしたら?的な質問を受けましたので、今回はブレスとフレージングの関係についてです。

大前提として

足りぬなら 吸わねばならぬ 何時も

です。

要は吸ってくださいということです。はい

ここでどう吸えば不自然に聞こえないのか、ということに直面しますが、シチュエーションにも左右されます。周りに他の音が鳴ってるのか、それが薄いのか厚いのか。同じ楽器か違う楽器かとか、ソロかハーモニーかなど状況によって音楽的に可能なブレスタイミングは変化します。実はそれはその人の個性というか絶対的なものはありません。というのも息は音であり、音楽である。ということを考えると個々人の音楽性みたいなものがブレス自体に既に存在しています。そこで、自分がこう演奏したいという欲求と物理的に足りない息とのギャップをどう埋めるかですが・・・。

それでですね、ええと…足りない場合、まずはもっと吸えるようになりましょう(笑)

僕もまだまだ足りなくて、もっと吸えるようになりたいと常に思っています。特に息量はそのまま音色に影響しやすく、本番など緊張する場面ではブレスのクオリティに影響が出やすいです。なので常日頃「自分はもっと吸えるはずだ」と少しで良いので意識して練習してみてください。

で、音楽的な息継ぎのことですが、ほとんどの場合ブレスの前の音の処理と自分の中で音楽が続いている状態かどうか…要は歌えているかということだと思うのです。

細かなことをいうとブレスの前は時間をとれるようなフレーズの減衰加減だったり、ブレス後の音の質感を気をつけることだったりするのですが、全ては歌として捉えられれば良いと考えてます。

実は管楽器以外の楽器でも音楽的ブレスコントロールみたいなものは行われていて、弦楽器やピアノでもフレーズの「間」みたいな部分とブレスは似たような関係にあったりします。ギターを弾いていたころは呼吸でフレーズの緩急をつけろと言われたことがあるのですが当時は正直良く解らなかったですね…。ですが今ならそのことも理解できます

とにかく「歌」として考える→次第にそこに必要な息量が見えてきます→足りない場合はフレーズを分割するまたは途中で吸うけれども歌としてなるだけ自然に行うという感じです。

どうですかね…。よくわからないようであればまた質問してください。

 

今回はここまで、それではまた。

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楽器と言語と音楽と

どうも、アドバイザーの佐々木です。

今回は言語による影響が管楽器奏者にはあるのか?です。

個人的な感覚でしかないのですが、僕個人の意見は

あるっちゃあるし無いっちゃない。

です。(なんだそりゃ?って感じですが…)

口の中や舌を駆使しながら演奏する管楽器にとって普段使っている言語の使い方=舌や唇の使い方のバリエーションがそのまま音に出てくることは実はよくあったりします。そういう意味では例えば日本語の場合、他の言語に比べて母音や子音の種類が少ないことが多く、例えば発音や聞き取りのカテゴライジングが多言語において違うものを同じだと認識してしまうこともあります。これは僕も留学時代にめちゃくちゃ注意されましたね。

ただもちろん個人差もありますし、方言や訛りのように同一言語を母国語にしている場合でも土地や習慣などで違うことよくありますよね。なので普段喋るときに使っている動きは楽器を吹くときにも同じような感じで使いがちになります。それが大きな違いとなっていく可能性があります。

でもでも?実際には、現代において大きく違うことはあまりなくなっているように感じます。前にも書いたようにyoutubeなど、音源や演奏する映像など簡単に見ることが出来るようになっていますし、世界中でトレンドも含めた「良い演奏」というものをそれぞれがある程度追えるようになっています。そこで起きること、

 

音を知り、真似て、繰り返す(練習する)。

これは言語の覚え方そのものじゃないですか。

 

そう考えると昔は譜面が流通するだけで、音源すらないまま色々な解釈で演奏されていて、個性が強い演奏が多かったのだと想像できますね。それと比べて今はスタイルが慣らされて画一的だという話もありますが、しょうがない気がします。色々な音や演奏を聴いてみて「あ!この演奏が良いな。」という感覚の最大公約数的な部分に集約されていくのだと思います。それでも確実に音もスタイルも差が出るものじゃないですか?例えばワールドトロンボーンカルテットの4人だってそれぞれ個性的ですしね。そういう意味では、音も聴いたこともない楽器をポンと渡されて音の出し方だけを教わった場合が一番言語的な意味でも影響あるのではないでしょうか。僕の先生の話で、中学で部活に入って初めて吹いた楽器がクラリネットだったらしいのですが、家でご両親がクラシックをよく聴いていたみたいで、クラリネットという楽器がどんな音がするか知っていた記憶があり、初めて楽器を吹くのに、いきなり普通に音が出せたらしいです。

だとすると、やはり大事なのは自分が本当に欲しい音、フレーズ、イントネーション、質感etc…。を常に具体的にイメージしながら練習していくことだと思うのです(これまで幾度となく言ってる気がしますが…。)。そのためにも何を、どこを聴くかというインプットのアンテナのバリエーションもあったほうが良いと思います。蓄積されていったその先に自分の理想みたいなものが形作られていきますし、自分の技術や演奏タイプ的な妥協点もより生まれやすい(ポジティブな意味で)ですしね。

それこそが音楽という言語を習得するということに繋がっていくことになるのだと思います。

 

今回はここまで、それではまた。

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息とのバランス

どうもアドバイザーの佐々木です。

 

「息を使う」「息のスピード」「暖かい息」「息の柱」

など息に関するアドバイスやヒントはたくさんあります、これらは管楽器にとって息の重要性を示しているのですが、良い息の状態とはどういう状態なのか?というとイマイチ答えにくかったりしますね。とはいえなんか息的に問題があるなと思うことはあるワケで、レッスンでも息の吐きかたを変えてみてもらうこともよくあります。息の状態で変化するところはです。経験上、息の状態を変えることをすると、たとえ唇のリードとして状態が良くなくてもちゃんと効果が出ます。

 

息の質感=音の質感という感じです。

 

僕もそうなのですが、自分のスタンダードの音の状態を決めがちなところが良くあります。本当はもっと息の状態を変えたところに自分の求めてる音の状態があるかもしれない。それが暖かい息を吐く感じなのか、ゆっくりとした感じなのか、ある程度のスピードを意識したものなのか…。個人的にはゆっくりした息で暖かく響いてくれる状態をベースに出来ると良いように思います。

もちろん唇(リード)とのバランスは大事な要素なのですが、息はより重要な部分なのです。

息も含めながらリードのバランス練習をこなすのであれば、いい状態の響きを失わないようにしながら小さくしていってミニマムな状態で同じ響きがする場所を探していく必要があります。響きの意識はとてもオススメできます。いろんな音域で音量やアーティキュレーションで響きが変わらないように意識してみてください。最終的には頭に思った質感のまま体が反応してくれるように意識できればと思います。

 

 今回はここまで、それではまた。

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質問に答えます。vol.7

どうも、アドバイザーの佐々木です。

今回は頂いた、そして若干たまっている質問の中から答えていきます。

Q ペダルトーンを出すコツはありますか?

ペダルトーンですか、いやー僕も苦手です…音の質感や音程、音量によって結構吹き方を変えている自覚がありますね。もっとスムーズにいく方法があるような感覚もあるのですがなかなか難しいです。

で、コツというほどでもないのですが、音程を感じながらmf以下くらいの音量で鳴る場所を探す、うんともすんとも言わない場合はなんとか鳴るところから小さくしていくような感覚です。唇がリードになるミニマムの状態を探す練習を取り入れてみてください。意外と難しいはずです、結局そこからアーティキュレーションやダイナミクスの変化にチャレンジすることになるのですがね…頑張ってください。

 

音に雑音?というか息の音がして気になります。(特にタンギング時)

 A 前に少し似た質問がありましたね、はいこの質問もですが、僕もしてます…。ただですね、僕自身色々とやった中で効果がありそうなやつを挙げると「バジングのやり方を意識する」です、マウスピースでバジングをしたときに振動とともに息の音がサーと混ざって聞こえるようであれば、それがなるだけしないようにすると楽器に戻ったときに音成分の純度が上がった感覚が得られます。ただ、口を閉めすぎたり、息の流れを少なくしたりすることで息の音を消そうとしないことが大切だと思います。あくまでもリードの調整みたいな感じです。バジングのアプローチに関しては前にも書きましたが、目的に応じてさらに体感として経験出来た練習であればむしろ積極的に取り入れるほうが良いと思ってます。

 

低音の音色が良くないです。

A 「どう良くないか」にもよりますが…今までのレッスンなどで感じた多くは、アパチュアが必要以上に閉じていると思うことが多かったです。その場合は響きが少ないというか明らかに中音以上との響きと違ってしまうのでわかると思います。自分の感覚としてわからないなら人に聞いてもらうなどして判断してもらうと良いかもしれません。アプローチとしては楽器に息を流すより楽器を息で満たすみたいな感じで、出来るだけ遅いスピードで音色が成立するところを探す(作る)。後はベンドといって音の高低を口で強制的にコントロールする練習です。

1、チューニングのB♭のオクターブ下のB♭からB♭→A→H→B♭と楽器で普通に吹きます。

2、次にポジションを1ポジションのままの状態で同じことを口のコントロールだけで吹きます。

3、色々な音でやる。

これだけですが、難しいと思います。特に上に上がるほうがなかなか…。意図した音程へグリッサンドみたいに響きを出来るだけ保ってやるのがコツです。僕自身の経験だと、この練習をやることでリードの調整幅みたいなものが広がるので音色の改善に役に立ちましたね。少し取り入れてみてください。

 

はい、今回はここまで。これからも地味に?でも確実に!続けていきますのでよろしくお願いします!

それでは、また。

 

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お知らせ

お久しぶりです・・・。

 

すみませんね…前回のポストから一か月、個人的にバタバタしておりました(と言い訳をぼやいてみる)。

ぼちぼちと再開していくのでよろしくお願いしますです・・・ハイ。

 

あと、地味に要望もあり、ツイッターアカウントも作りましたのでそちらでも質問を受けることができるようになりました。

 

佐々木一成 (@sasaki_joybrass) | Twitter

 

はい、今回はこれだけです。今しばらくお待ちを…。

それでは、また。

 

 【メールでも引き続き受け付けますよ~、 tb@joybrass.co.jp までどうぞ!!】