佐々木一成のブログ

元JOYBRASS トロンボーンアドバイザー 佐々木一成のブログです

暗譜でGo!

今度は暗譜地獄だぁぁ、ぅわははははは閣下引用

どうも、アドバイザーの佐々木です。
皆さん暗譜って意識しますか?曲はもちろん簡単なフレーズとか基礎練習とかでも、比較的短い時間で譜面を覚えて吹くことはより音に集中出来る感覚が出ます。

僕の留学時代はですね、毎週エチュードを2、3曲プラス、トロンボーンのレパートリーになる曲をレッスンに持っていってたのですがエチュードの一曲を毎回暗譜するという課題がありましてやってなかった時のペナルティもありましたよ。そのペナルティとは…
三回くらうと退学‼
というやつです。

いやー、必死で覚えましたよ。前々回の記事のブノワ君の例もあるのでマジでやってました。当時は内容とかじゃなくとにかく覚えないとアカン!!ということでこなしていましたが繰り返していると感覚的に譜面を掴むような感覚が不思議と出てきましたね。あとは暗譜だと聴くことに関して強く作用する感じがします。まあそれでも今思うとフランスにいたときはただ覚えるという作業をこなしていただけでしたね。
それでも普段意識してない人にとっては良い勉強になると思います。オススメなのはもう覚えてしまった作品も、ちゃんとその後も譜面を読み続けるということをするととても勉強になりますよ。頭に入ったあとでさらに見えてくるものがあると思います。ゲーム感覚でも良いので暗譜にチャレンジしたらいかがでしょうか?


あとは僕が頂いたありがたい名言を紹介させていただきます。
あるピアニストとの合わせをしている時に、出だしを間違えてしまったんですよ。そしたら
「トロンボーンなんて単音しか使わないんだから、覚えられないなんて信じられない‼」

それでは、また。
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レッスンを受ける心構えの十ヶ条

どうも、アドバイザーの佐々木です。
今回はですね、レッスンを受けるにあたっての心構えみたいのが僕が体験したり人からの話とかから
「レッスンを受ける心構えの十ヶ条」みたいなものを考えてみました~

一、相性はあるさ、人間だもの。

教える側も教えられる側も人間だから相性はあると思います。その人が選ぶ言葉などが自分のもつ感覚と違うことなんて良くあるはずです。レッスンを受けるタイミングによっては色々と合わなくて伸び悩むこともあります。その時よくわからなくても後になって理解できることはよくあることです。

一、先生が上手くさせるんじゃない、自分が自分の上達法を発見するもの。

レッスンはあくまで提案やヒント、経験の伝達であったりするものなので、あくまでも自分の感覚と相談しながら受けましょう。そのままの形でやって何もつかめないのなら自分なりに実験をしてみて自らつかもうとしてみてください。

一、常に課題と向き合おう
自分が出来ること、出来ないこと、得意なこと苦手なことを正直にちゃんと認識して対峙していくことが大事です。

一、レッスンごときで失敗恐れてなんになる

レッスンで完璧に吹こうとしなくても大丈夫!今自分が出来ることをちゃんと出せるようになりましょう。

一、わからないことはそのままにしない

わからないこと、疑問点などあればどんどん質問しましょう。そのままにしておくのはもったいない。

一、己を知ることで可能性を知る

自分はトロンボーン吹きとしてどういうタイプかを考えると、どういうアプローチでやっていくのが良いのかが見えてきやすかったりします。パワー系なのかコンパクトにまとめるタイプなのかとかね。そのためにも他の人を見聞きするのは大事です。

一、自分の好みだけでアプローチ方法の良し悪しを決めない

演奏会や音源を色々聴いていると、とても大好きな奏者、あるいはあまり好きではない演奏をする奏者なども普通にあると思いますが、好きではないからといってその人のアプローチ方法まで嫌いにならないように、そこにこそ自分の感覚に合うアプローチ方法が存在しているかもしれないのだから

一、明日は明日の風が吹く

上手くいかないことを気にしすぎない、常にポジティブな思考で楽器と向き合いましょう。そのうち出来るようになるさ

一、人は忘れやすい生き物である。

レッスンで体験したこと、すぐやらなくなっていつもの自分の練習をしてしまってないですか?変化の為のアプローチは常に自分に少しずつでも取り入れて練習することが上達には近道です。なにを教わったか、普段の練習の中にちゃんと取り入れているのか、自分に変化を感じるか今一度考えてみましょう。

一、何はともあれ楽しもう
レッスンであれ、コンクールやオーディションであれ演奏するという行為には変わらないはず。そのために練習があると思いましょう。

はーい、どうでしたか?若干8番目と最後がかぶっている気がしますが…。
こういうのがあると僕自身も今一度気が引き締まる気がします。

それでは、また!

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一人より二人

どうも、アドバイザーの佐々木です。

今回はフランスの常識非常識の第3回です。

一人より二人、みんな集って基礎練習

フランスでレッスンといえば、朝クラスの全員が集まって色々なパターンで一緒に基礎練習をするのですが実は普段の練習も人と一緒に基礎練習をすると良いとされていました。
実際、これが良いんですよ。人とやるとテンポやイントネーションが独りよがりにならないのと周りを聞きながら自分も吹くことで、より質感を感じながら練習することができます。

僕がおすすめする組み合わせは同じくらいのレベルの人とやることで、効果がより良くレベルアップしていくことが可能です。
もちろんレッスンとかで上手な方とやるのも効果は出ますが個人的には同じくらいのレベルの仲間とやるのが良いと思います。

その昔ですね、先生から「明日から毎朝学校に来て二人で練習しろ」といわれまして。
現れました、ブノワ君。当時彼は16、17歳くらいだったかな?いいやつだったんですがね、
まあ朝来ない…

いや、少しは来るんですよ週に2、3回くらいね。来た日は一緒に練習するんですけど
疲れた

ちょっと休憩

もう帰っていい?

その3つのコンボです。いや彼はいいやつなんですよ(2回目)
でもまあ僕は放っておいたんですね、いる間は一緒にやって。

そしたらですね。1か月後のレッスンの日に学校の部屋貸し台帳を見た先生がぶち切れましてね。
僕もちゃんと一緒にやってやれみたいなことを言われましてね…、
いやいやいやいや、ちょっとまって
流石にそこまで面倒みきれないっす…

その日からは5日くらいですかね、来ましたよブノワ君。いいやつなんでね(3回目)
でもというかやっぱりというか来なくなりましてね。
そのうちレッスンにも来なくなったんですよ。
それで先生に聞いたんですよ。

「ブノワはどうしたんですか?」
「あいつは退学になったよ」

「は!?」
「いや、あいつは自分の課題をやらないんだから習ってても意味ないだろ?」
「……そうで…すね。」

そんな感じでですね、彼は退学になりましたとさ。
話が若干逸れましたがとにかくあれですよ、
基礎練習は友達とやろうよということでした。 ブノワ元気かな?

それでは、また。
質問はtb@joybrass.co.jpまで

質問に答えます。vol.2

どうも、アドバイザーの佐々木です。
今回はまた集まってきた質問に答えていきますよ。

Q
黄ベルと赤ベルで悩んでいます、赤ベルのほうが価格が高いので赤ベルのほうが良い楽器なのでしょうか?

A 好きなほうで大丈夫です!
いや本当にこういうのって好みですから、確かに各々のパーツの影響力は大きいのですがより「自分の声」に近いものを選ぶのが良いと思います。それよりもその個体が好きかどうかで判断して良いと思いますよ~
因みに価格に差があるのはあくまでも材質のコストの原価の差、製造時の手間などから設定されているので 黄ベル赤ベルということはありません。

Q 佐々木さんはフランスで勉強されたことでクルトワを使われてきたみたいですが、どういった経緯で今はエドワーズをメインにされているのでしょうか?

A お店で吹いてみたら、良かったんです。
本当にただそれだけの理由です。それまでずっとクルトワを吹いてきてはいたんですよ、でもたまたま吹いたものが自分の出したい音とリンクしたような感覚になったんですよね。そのことだけで十分に使いたい理由になりましたね。そもそも楽器のメーカーに対するイメージというのはみんなそれぞれあると思います。僕もそういったイメージありますが、自分が出したい音がイメージ通りの楽器とマウスピースで必ずしも出ないということがあります。なので、出来るだけそういった先入観や偏見を持たずに試奏なりしてみるのも大切な時があります。
僕はいわゆるアレッシホーンを使っているのですが、お店でとあるお客さんに吹いてもらったときに
「佐々木さんの楽器はすごく良い楽器だと思うんですけど、アレッシホーンとしてはポンコツな感じですね」
と言われまして、めちゃくちゃ面白かったです。いやまさにそういうことが大事だよと今は思います。

Q お店でトランペットを吹かれてましたね?なんでトランペットも吹いているのでしょうか?

A トランペット、吹いてみたら楽かったからです!
っていうか「なんで吹いてる」なんて若干トゲがあるように感じますが…ふふふ、そんなの気にしません。
なんだかんだでラッパ2本持ってますよ!あっ…バストランペットをいれたら3本ですね。まだ全然吹き慣れないですけどちょっとづつ練習してます。
トロンボーンと違うといえば違うけれど同じっちゃ同じなんですよ(なんじゃいな)、金管ですしね。
ですのでトロンボーンアドバイザーという立場ですが、トランペットも勉強中みたいなものなのでトランペットのみなさんもお店に来られた時は相手してください~(願)

はい、今日はここまで。今のところ個人的に結構エッジの効いた質問が多く集まってる気がしないでもないですが、なんでも大丈夫です!
tb@joybrass.co.jp までよろしくお願いします~

それでは、また。

音=声

どうも、アドバイザーの佐々木です。

管楽器にとって音はなによりも大事ですよね、音のクオリティが音楽の質の大部分を占めるといっても過言ではないと思います。
僕がトロンボーンを始めたころというのはミシェル・ベッケさんの音が好きすぎて、
「なんとかしてこの音の感じになろう」と推奨されてる奏法なんてガン無視であれじゃないこれじゃないと試行錯誤しまくっていました。結果…

まともに吹けなくなりました!!

いやー悩みましたね…当時はそのことが原因なんてわからないまま調子が悪いけどなんとも出来ない状態が約2年くらいありまして、その後少しづつ良くはなっていきました。時間がかかったのは今考えてもベッケの音という呪縛から離れていく時間そのものだったと思います。
とにかく自分の音をそのまま認めていくような向き合い方を練習の時に意識してやっていました。自分の頭にある音をそのままシンプルな形でトレースするように音出しをしていくことで自分のベーシックなサウンド感を見つけていく感じというか、自分の良い状態を引き出していく作業というのが必要でしたね。

まさに自分の声を見つける感じです。金管楽器は特に人の声と一緒で生まれ持った基本の音は変えることが出来ないけれど、マウスピースや楽器で変化する余地を残しているような感じだと思います。だからこそ自分のプレーンな音色をわかっていることで、毎日の調子や楽器のコンデイションなどを知る目安にもなりますよ。ポイントは小細工をしない、あくまでシンプルに、繰り返すことで体の反応を待ってあげることです。

今回のまとめ(初出)
自分の声を受け入れよう、佐々木はベッケの音が好き。

それでは、また。

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スケール地獄、はたまた天国

お前も、スケール地獄に落としてやろうか‼(閣下より引用)

どうも、アドバイザーの佐々木です。
いやー皆さん、スケール練習してますか?

留学時代といえばスケール
スケールに始まってスケールに終わるといっても過言はないくらいでした。
半音階、2,3,4オクターブからインターバル、3度、4度、5度…全音階 etc.

もうね、これが逃れられないんですよ。フランスのレッスンでは朝から始まって最初にみんなで基礎をやっていくのですが、ロングトーン的なやつとかリップスラーもトリルもとにかくスケールに組み込まれた形でわーっとこなしていくんです。さらにグループなので数人がまるでついていけてなくてもどんどん先に流れていくので出来ないとただただ吹けない時間が過ぎていくだけなんです。周りの生徒は普通に吹いていてその時の疎外感たるや…
これは敢えてやっているところもあって、普段からちゃんと触れていないといけないという意識づけの意味もあるのです。

それは曲の音列のほとんどがある調性に従って書かれていますから、それらを習得することでより作品の理解と演奏テクニックをより早く結びつける効果があります。
これがなかなかレッスンでやれといっても難しいのですが、これ本当にやった分だけ効果出ます。クオリティも大事なのですが、それ以上に体に音と動きが染み付いてしまうくらいにをこなすのもとても重要です。時間がなければスケールの練習を優先的こなすことで技術向上になりますし、個人的な体験だと音域アップにもとても役に立ちますよ。

それでもなかなか生徒に課してもみんな避けちゃうんですよね…。
こうなったらイベント化しちゃったりしたほうが良いのかも?

ジョイブラス春のスケール祭り
真夏の蒲田スケール大会
秋のスケール大収穫祭
第21回紅白音階合戦
みたいな感じで…

そしたらもう年中スケールが止まらないですよ。
I can't stop the scale practiceです。

初めはしんどいかもしれません、でもやることでだんだんと少しづつでも見えてくるはずです。
きっとそこには楽園が…


それでは、また。

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Courtoisのシェア

まだまだ暑い日が続きますね。
どうも、アドバイザーの佐々木です。

今回はフランスの常識非常識の第2回、フランスでのクルトワのシェアはどのくらい?です。
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昨今の企業買収の流れの中で、現在はドイツ国内で生産されているCourtois(クルトワ)製品。実は前にも一度ドイツで作られていた時期もあります、B&S社の傘下だった時代のものです。僕の持っている楽器の一本はその時代のものですね、生産場所の違いでなにかが変わったかと言われるとまあ違うのでしょうけれどそれ以上に個体差のほうが大きく感じる気がしますね。
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そんなクルトワのトロンボーンはフランスにおけるシェア(主にプレーヤー)はどのくらいかというとですね。

およそ90%くらい(個人的感想)
す、すみません…そんなデータを集める余裕なんてなくてですね。僕のネットワークを駆使した感じだと、そんな印象なんです…。

次点でBachかな?という感じでしたね、特に留学当時は。それに私のリサーチによると今でもそんな感じみたいですよ。

こんなにも自国の単一メーカーを学生からプロまで使うことはこういう時代の中でも珍しいのではないかと思います。
この間の6-1/2話といい、考えてみるとなかなか興味深い事象ではないでしょうか。

ちなみにフランスに於いていわゆる太管テナーバスが使われだしたのは1970年代半ばくらいからだったそうで、それまでは現在でいう細管テナーを使っていました。ジル・ミリエールさんがオペラ座に入団した時は細管テナーでオーディションを受けた話も昔聞きましたしね。
現在でこそバストロンボーン科があったり、授業でちゃんとアルトを使ったりしますが大昔はそういった棲み分けもなく、みな同じ楽器でオーケストラもこなしていました。少なくとも僕のいた2000年前後なんてベートーベンにアルトを使っている演奏会なんて見たことなかったような気がする…。

とまあこんな感じでですね、こんな情報社会になった現在でも独自の路線を進む様は面白いですね。
もちろん流行り廃りはあるのでしょうけれど基本のラインはおさえる的なところにスタイルとしての矜持を感じます。

それでは、また。

質問はtb@joybrass.co.jp までどうぞ‼